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[大学正論] 教育革新の機会

2020.03.24 閲覧数 6,424 コミュニケーションチーム

大学教員であり、今年大学に入学した学生を持つ保護者でもある私にとっても、2020学年度1学期は当惑の連続である。学期は始まったが、「コロナ19」の世界的大流行で閉鎖されたキャンパスの空っぽの講義室は、開講を実感できなくさせる。対面授業の代わりにオンライン講義を準備し、LMSを通じて授業を管理することは、教員にとって新たな挑戦となっている。新入生となった息子の場合、キャンパスで大学文化を体験することもできないまま、オリエンテーションと講義に家でオンライン参加しなければならない状況がもどかしい。家庭で息子とオンライン講義の実効性のためのフィードバックを交わしながら、この状況が速やかに終息することを願う気持ちを共有したりもする。

しかし、この危機状況が否定的なことばかりではない。これまで人類は危機を克服する過程で新たな機会を創出してきた。14世紀ヨーロッパの黒死病は世界的な大流行へと広がり、ヨーロッパだけで約1億人が死亡した。この惨憺たる災厄によりヨーロッパは危機に直面したが、その危機を克服する過程で多様な技術が発展し、近世の時代を切り開いた。近くは、2015年のMERS事態の危機以降、診断検査体制を強化できる機会を活用し、今回の「コロナ19」事態で優れた診断能力を発揮した。このように危機を機会に変えた歴史的教訓を考えると、今回の「コロナ19」の危機が大学教育の現場にもたらす機会の要因は何だろうか。それはまさに教育革新の機会であろう。

すべての大学が対面授業を延期する中、1か月以上にわたりオンライン講義と遠隔講義で授業を進めざるを得ない状況が展開している。これに向けて各学校では、I-Class、e-Classなど既存のLMSにオンライン授業を強化した学習システムを拡大している。また、学生のアクセス集中に備えてサーバーを増強するなど、システム構築に積極的に乗り出している。オンライン学習環境の構築は教育革新の核心課題の一つであった。これまで政府の財政支援事業を受けられなかった大学は、このような環境構築のための財源確保が容易ではなく、教育先進化体制の構築に消極的であった。しかし今や、オンライン学習環境を構築しなければ大学運営が困難な状況が到来し、急いでこの分野に財政を集中投入している。結果として大学の教育革新は、より前倒しされるだろう。この機会に政府がプログラム開発と財政支援を積極的に模索する必要がある。

教員はオンライン講義と遠隔講義に挑戦することで、自ら教育革新を成し遂げる機会を得ている。これまで教員はPBL、アクティブラーニングなど教授法の革新に向けて多くの要請を受けてきた。それにもかかわらず、伝統的な大学講義方式を固守したまま革新的教授法に挑戦しなかった教員が多かったのも事実である。しかし今や、すべての教員が革新的教授法に参加しなければならない状況が到来した。教員は自分の講義を撮影し、オンライン授業システムで管理する方法を学ばなければならない。そしてWebex、Zoom、Black boardなどの遠隔講義システムを使えるようになる必要がある。さらに、映像制作、リアルタイム講義のストリーミング、YouTubeの活用法などにも慣れなければならない。これまで選択事項であった革新的教授法が必須として求められる 만큼、革新的教授法の力量を強化できる機会が訪れた。

学生は創造的思考と自己主導学習能力を強化する機会を得た。21世紀の人材像で欠かせない核心能力が、まさに創造的思考と自己主導能力である。そのため多くの大学は、こうした能力を備えた人材を育成するために努力している。これまで学生は教員の一般的な講義への依存度が高く、自己主導的な参加が低い教育方式に慣れていた。しかしオンライン講義が拡大し、遠隔講義が一般化するにつれて、学習に対する学生の自己参加が必然的に求められている。この環境を積極的に活用すれば、学生の学習主導権を回復できるだろう。そうなれば、自己主導性のもとで創造的思考を備えた未来人材を育てる機会が拡大するだろう。

今の状況が望ましいわけではない。それにもかかわらず、この危機を機会に変えることが教育の当事者に与えられた課題である。さまざまな試行錯誤や副作用があるだろうが、この状況を教育革新の機会とする必要がある。成熟した市民意識で「コロナ19」の危機を克服しているように、教育革新によって大学教育の危機を乗り越えていくことを願う。

[イ・グクホン 三育大 神学科 教授]

教授新聞 http://www.kyosu.net/news/articleView.html?idxno=49557